- ひび割れがひどくてバースト寸前です!無事に家まで帰れるでしょうか…
- タイヤの溝が無くて車検に通りません。今すぐ危険なので交換しましょう!
- 車が傾いているから空気が抜けているかも!点検しましょう!
こんなこと言われませんでしたか?
- まだ交換時期ではないタイヤ
- 交換時期だけどすぐ交換する必要がないタイヤ
などを今すぐ無理矢理交換しようと
- よくわからない専門用語で不安を煽る
- 危険を連発して点検や交換を強いてくる
そんな荒い販売をしている店舗が今現在でも極々一部存在します。
残念ながら車に疎そうな女性や老人などがターゲットにされやすい傾向にあります。
そんな極一部の悪質な店舗から被害者を出さない為にタイヤ販売のプロである筆者が記事を書きました。
- 荒い販売に遭遇した時の対処法
- 本当に即交換が必要かのチェックリスト
- なぜ押し売りをするのか?
本記事を読む事でタイヤ押し売りに対する防御力が上がります。結果、交換する必要のないタイヤを交換せずに済みます。
ご家族や親御さん、友人にも共有、伝えて防御力を高めあいましょう。
今まさに交換中で「なんだか怪しい」と感じる方は以下いずれかの行動をとってください。不当な場合返金される可能性があります。
- 外した損傷タイヤを持ち帰る
- 損傷個所を写真に収める
交換を勧められた時の対処法流れ
以下の順番で説明します。
- まずはタイヤの損傷レベルを4段階で確認する(即交換・要交換・早めの交換・交換不要)
- 即交換が必要な場合
- 即交換が不要な場合
まずはタイヤの損傷レベルを4段階で確認する
1人で判断するのは不安ですよね。その場合は以下の方々に相談しましょう。
- ご家族の方
- カーディーラーの担当
- 車に詳しい友人
誰かに相談する事は以下の点から考えてもとても有効です。
- 押し売りで購入してしまうケースでは1人で判断してしまっている事が多い
- 本当に危険な状態なのかセールストークなのかの判断もつきやすい
即交換レベル
今すぐ変えないと危険な状態を指します。
具体的には以下の症状です。これらに該当する場合は即交換しましょう。危険な状態です。
- パンク
- パンク(引きずり痕がある)
- 特定箇所のパンク(ショルダー部・側面)
- 破裂している
- 側面に深いエグレ傷がある
- 側面にふくらみ、コブがある
- 金属部品が露出している
1.パンク
パンクとは空気が抜けてしまう現象です。主にクギなどの異物が刺さることによって起こります。
- パンク修理ができる場合→パンク修理でもOK(できれば新品交換が望ましい)
- パンク修理ができない場合→新品に交換
(作成中)車のパンク修理はどこでいくら?修理の可否や修理後の注意点まで解説
2.パンク(引きずり痕がある)
引きずりとはタイヤの骨格である金属部品やゴムが損傷している状態です。
空気が抜けた状態で走り続けるとタイヤ側面に負荷がかかり起こる症状です。
タイヤ円周に渡って模様のようなものがついていますよね?
元々なかった模様にようなものが現れていますね。正常なタイヤと比べると一目瞭然です。
3.特定箇所のパンク(ショルダー部・側面)
タイヤのショルダー部(接地面と側面の間あたり)と側面に穴があいた場合パンク修理不可です。新品に交換する以外方法がありません。
ショルダー部パンクの画像準備中
4.破裂している
画像準備中
言うまでもなく修理不可です。新品に交換しましょう。
5.側面に深いエグレ傷がある
タイヤの側面は非常に薄くとても弱い作りになっています(それと引き換えに乗り心地の良さを実現しています)。
画像のような深いエグレ傷はいつ破裂するかわからない状態です。
ちなみに傷が浅い場合でも即交換をおすすめします。
先ほどもお伝えした通りタイヤの側面は非常に薄く弱いため、例えタイヤ内部の繊維が見えていない状態でもどうなるかわからないからです。
タイヤの側面薄さ画像準備中
6.側面にふくらみ、コブがある
画像準備中
タイヤの骨格である繊維が切れています。骨格が無い部分だけタイヤの空気圧に耐え切れず膨らんでいるのです。
人間に例えるとあばら骨が無いような状態です。
7.金属部品が露出している
タイヤの寿命を超えて走行を続けると地面と接地しているゴム部分がすり減ってタイヤ内部の金属部品が顔を出します。
画像のような状態になるまで放置されていることは稀ですが、これこそいつ破裂してもおかしくない症状です。即交換しましょう。
要交換レベル
タイヤの寿命を迎えている状態です。できればすぐ交換することをおすすめします。
具体的には以下のような状態です。
- タイヤの残り溝が1.6mm以下(車検にも通らない)
- ひび割れ度合が特にひどい状態
1.タイヤの残り溝が1.6mm以下(車検にも通らない)
確認方法以下の2つです。
- 残り溝を測る器具を使う
- スリップサインが出ているか確認する
残り溝を測る器具は店員さんが持っているはずです。測っているところを一緒に確認しましょう。
スリップサインとは下図のように残り溝1.6mmになったら出てくる凸です。スリップサインの位置はタイヤ側面に刻印されている▲マークの延長線上にある溝の中にあります。
2.ひび割れ度合が特にひどい状態
具体的には下図の5レベルくらいのひび割れです。
早めの交換レベル
タイヤの性能が落ちて寿命に向かっている状態です。早めの交換をおすすめします。
具体的には以下のような状態です。
- タイヤの残り溝が3.2mm以下
- ひび割れ度合がひどい状態
- 使用開始から5年以上経過している
1.タイヤの残り溝が3.2mm以下
残り溝を測る器具で測りましょう。店員さんが持っているはずです。必ず一緒に確認するようにしましょう。
残り溝が3.2mm以下になるとは雨の日のブレーキの効きが悪くなり始めます。
2.ひび割れ度合がひどい状態
具体的には下図の4レベル位のひび割れです。
3.使用開始から5年以上経過している
タイヤも月日が経つと劣化が進み柔軟性が低下して雨の日のグリップ力などに影響が出てきます。
その一つの目安となるのが使用開始から5年なのです。日本自動車タイヤ協会が出している資料にも以下の記載があります。
使用開始後5年以上経過したタイヤについては、継続使用に適しているかどうか、すみやかにタイヤ販売店等での点検を受けられることをお奨め致します。
日本自動車タイヤ協会HP
交換不要
これまでの症状に当てはまらなければ使い続けて問題ありません。セールストークに惑わされず「交換はしません」とはっきり伝えましょう。
定期点検をしながら安全運転をしていきましょう。
即交換が必要な場合
店員さんの危険訴求が本当だった場合以下の方法を選択します。
- その場で新品に交換
- スペアに交換して他店で交換
- JAFを呼んで他店で交換
その場で新品に交換
基本はこの選択になると思います。店員さんが声をかけてくれたおかげで危険なタイヤを放置せずに済んだので感謝したいですね。
いざ交換となるとガソリンスタンドのタイヤは高いのでは?という疑問が出てくるかと思います。
結論、ガソリンスタンドのタイヤ価格は普通〜安い傾向にあります。不安な場合は電話などでカーディーラーの営業担当や近くのタイヤ屋などに電話をして価格の相場を確認してみましょう。他店の方が安い場合、その旨をガソリンスタンドに伝えると値引きしてもらえることもあります。
また、交換対象が1本の時に2本もしくは4本交換をおすすめされることがあります。
左右前後で違う種類のタイヤを装着して性能のバランスが変わるとスリップや真っ直ぐ走らないなどの不具合に繋がる可能性があります。新しく交換したタイヤが同じタイヤでも劣化や溝の減り具合が違うため同様の症状が起こる可能性があります。
筆者的にも付いているタイヤが新しくない限り最低でも2本交換をおすすめします(もちろん状況次第です)。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
(作成中)タイヤ1本だけ交換ってあり?タイヤ販売のプロがデメリットを解説
スペアに交換して他店で交換
- 店舗に在庫が無い
- 取り寄せに時間がかかる
- ガソリンスタンドで交換したくない
上記の場合スペアに交換して他店に行くという選択肢が出てきます。
ガソリンスタンドでのスペアタイヤへの交換(脱着)工賃相場は1000-2000円程です。
他店へ行く場合は事前に以下のことを確認しましょう。
- 在庫の有無
- すぐに作業できるか
JAFを呼んで他店で交換
スペアがない場合使う最終手段です。
即交換が不要な場合
即交換が必要無い場合以下の2パターンに分かれます。
- 要交換レベルであれば今すぐか近いうちに交換
- 早めの交換レベルであれば早めに交換
要交換レベルであれば今すぐか近いうちにすぐ交換
今交換しないと走行できない状態ではありませんがタイヤの寿命は迎えています。
残り溝が1.6mm以下の場合は車検にも通りません。この状態で走行を続けると整備不良とみなされて道路交通法違反になります。そのくらい雨の日滑りやすく危険な状態ということです。出来れば今すぐ、もしくは近いうちにすぐ交換するようにしましょう。
どこで購入すればいいか迷ってしまう方は以下の記事を参照ください。
早めの交換レベルであれば早めに交換
タイヤの性能が落ちて寿命に向かっている状態です。タイヤ交換を検討する段階に入っています。
早めに交換することで走行中の不安がなくなるかと思います。
(作成中)タイヤ溝の交換時期|スリップサインでは遅い!溝が減ると起こる症状
(作成中)タイヤのひび割れ許容範囲は?車検は?起こる症状と交換時期を解説
(作成中)タイヤ製造年月日の見方|古さの許容範囲や使用期限を解説
どこで購入すればいいか迷ってしまう方は以下の記事を参照ください。
強引な販売の理由
実はガソリン販売はほとんど儲けがありません。その為、ガソリン以外のタイヤオイルバッテリー洗車などで利益を稼ぐ必要があります。
その中でもタイヤは1番単価が高く利益も取れる商品なので会社としても注力することになります。
そこで問題になってくるのが以下の3点です。
- 過剰な販売予算
- インセンティブバック
- 勉強不足
過剰な販売予算
店舗規模、来店客数から考えても無理難題な販売予算を課す会社もあります。
ガソリンスタンドに勤めている社員もサラリーマンなので無理難題な販売予算でもなんとかやり切ろうとします。結果荒い販売の仕方になってしまうことがあります。
インセンティブバック
タイヤ販売会社との間で次のような契約が結ばれている事があります。
期間中に〇〇本以上仕入れたら〇%還元する。
もちろんインセンティブが美味しいので契約を達成するべくタイヤを仕入れることになります。
タイヤ販売が好調であれば問題ありませんが、不調の場合は在庫が残ることになります。
タイヤはナマモノなので一定期間が過ぎると棄てなければいけません。
そうした損失を避けるために必死に販売しようとした結果荒い販売に繋がることがあります。
勉強不足
単純に勉強不足が理由の場合もあります。正しい知識がないために荒い販売の仕方になってしまいます。
- 上手く説明出来ず「危険」という言葉を連呼してしまう
- 間違った情報を伝えてしまう
まとめ
まずは即交換が必要か判断しましょう。
1人で判断するのが難しければ迷わず以下の方々に連絡を取りましょう。
- ご家族
- カーディーラーの担当
- 車に詳しい友人
タイヤの損傷レベルを4段階に分けて確認しましたね。
- 即交換
- 要交換
- 早めの交換
- 交換不要
即交換が必要な場合は以下の選択をしましょう。
- その場で新品に交換
- スペアに交換して他店で交換
- JAFを呼んで他店で交換
即交換が不要な場合は以下の選択をしましょう。
- 要交換レベルであれば今すぐもしくは近いうちにすぐ交換
- 早めの交換レベルであれば早めに交換
- 交換不要であれば定期点検の実施
本記事のケースはあくまでも極々一部のケースです。真摯に安全点検と声かけをしてくれる店舗がほとんどです。
ただし0ではないことも確かなのでもしも時の備えとしてある程度の知識を付けておくことは自分の身を守るためにも重要となります。